2009-02-06

前髪。


 毎夜毎夜、気持ちの悪いお写真をすみませぬ。
 女と云ふものは中々に些か厄介なものであります。厄介なのはお前だけ、と茶碗や石ころなどが飛んできそうですが。些かどころか手に負えない程と罵声が飛んできそうですが。それは屈んで、耳を塞いで、さっと躱す。それがきっと女と云ふ生き物なんです。
 毅然と毎日を生きているようでも、時折ふと何かの拍子に乙女になりたい、ともの凄い衝動が生まれて、その衝動がムクムクと大きくなり、脳の中の70%位を占拠した時。そんな時にはどうするか。そう・・・前髪を切りまする。15センチメートルをバッサリとカット。
 翌朝、あ〜切りすぎた。と嘆いてみたところでもうどうにもならない始末。ここ暫くは前髪の無い生活を送っていたので、いざこんなにも短い前髪を鏡に映したところで、どうセットして良いものかさっぱりと分からない。皆目不明。


 そうして先日午前のテレビショッピングを拝見していたところ、カリスマ美容師サカマキ氏が登場。氏が紹介した商品とは、ヘアコサージュ前髪ウイッグなるもの。嗚呼、なんと言うタイミング。一時的な根拠の無い感情でバッサリと切りそろえるなんていう失態を冒すべきではなかった。元の長さに戻るまでには1年位もかかるこでしょう。

 あなたの前にちょこんと鎮座しているその女性。前髪があるならきっと少女でありたいと願っていらっしゃいますことよ。
 

2009-02-05

ラースと、その彼女


★★★★★
 なんとも、良い映画を観たなぁと言う気分でいっぱい。幸せな気持ちで胸が満たされた。
 過去のトラウマから女性と上手く接する事が出来ないラース。ある日突然リアルドールのビアンカを恋人として紹介するラースだが、これまでの彼の人柄の良さから困惑しながらも町の人々はビアンカを独りの女性として接する。
 純粋に人間の善良な部分のみを信じて作られたこの作品。ラースがどのような窮地に追い込まれて行くのかと最後までハラハラとする気持ちもあったが、善良さを押し付ける事無くこんなにも素直に受け入れられたのは、人々の戸惑う姿や怒りも描き込まれていたからなのだろう。
 誰にだって欠点はある。人に話せないトラウマだって。でも自分が人と真っすぐに接していればきっと手は差し伸べられる。そう信じたいしそうあって欲しい。ストレスの多い社会生活や複雑な家庭環境の中で歪んだ精神状態を保持して生きなければならない人も増えている。そんな人々への接し方に対する強いメッセージとも受け取れたこの作品。向かい合って受け入れる事が如何に大切なのかを教えてくれた。
 ラース役のライアン・ゴズリング、ラースの兄ガス役のポール・シュナイダー、ガスの妻カリン役のエミリー・モーティマーらを始め脇役達の演技も素晴らしい。
 そして雪深い自然豊かな風景にマッチしたシンプルで可愛らしい衣装がとても素敵。
「ラースと、その彼女」ホームページ

2009-02-03

MAMMA MIA!


★★★☆☆
 エセABBAフアンのわたくし。家を出る前から気分はワクワク。ウキウキ。電車の中でもソワソワ。頭の中はダンシング・クイーンが鳴りっぱなし。いつもなら上映直前に座席に着くのに開場と同時に着席。
 ソフィ役のアマンダ・セイフライトにうっとり。女性としての魅力と溌剌としたあどけなさが残る、チャーミングと言う言葉がこれ程ぴったりな女の子は他にはいない!!と思える程。女でも惚れてしまう。
 開放感に溢れたギリシアの島、逞しく忙しく愉しく暮らす人々。いつまでも変わらぬ友情。女に生まれて良かったと思える要素が日常の中に目一杯詰め込まれている。そして女同士の会話に時折出てくる下ネタにフムフム。特に最初の”・・・(ドットドットドット)”。
 お気に入りの場面はドナがソフィにペディキュアを塗るシーン。あの母娘のスキンシップが堪らなく微笑ましかった。
 メリル・ストリープ、ピアース・ブロスナンらの歌とダンスは素敵だったのですが、常に頑張ってはるなぁと言う目で観てしまい、なんだか入り込めない部分も。設定的にもう少し年齢の低めの女優さんが良かったなぁと言う個人的感想。
 そして、ABBAの曲はやっぱりABBAの声があの二人のハーモニーが一番だなぁと実感。昔のミュージカル映画のように歌は本人、俳優さんは口パク、だったらまた印象も違ったものだったかも。
 

2009-02-02

チェ28歳の革命


★★★☆☆ 
 ソダーバーグ監督は細かい部分も史実に基づき、自分たちで付け足したシーンは一つも無いと。しかし、ドキュメンタリーフィルムで無い限りそれは可成り難しい作業。再現VTRを創り上げることで、有りの侭のゲバラを見てもらおうと言う強いメッセージなのだろう。いや、ソダーバーグ監督自身の頭の中にあるゲバラ像をそのまま映画にしたかったのだろうか。随所に革命後のゲバラの映像を挿入したり、ゲバラの信念や博愛の精神を垣間見る事が出来た。ゲバラがカリスマとして今も尚存在する事、ファッションアイコンとして取り上げられる事実。しかし、何か、メッセージ性が希薄な感じも受けた。 そう言う押しつけを排除したのかもしれない。
 デルトロの減量の末の演技は臨場感に溢れ素敵でした。
 ただ、ゲバラマニアにとっては堪らない映画楽かも知れませんが一般大衆にはなかなか難しい気がします。ある意味、ミニシアター系の映画。ゲバラの事を理解してから、観るべき映画。かな。